理事長所信

一般社団法人 越谷青年会議所

2016年度 理事長 井橋 興蔵

ihashi

 

未来へのコミットメント

~地域へ 組織へ そして自分への挑戦~

 はじめに

「われわれは、なぜ青年会議所に入ったのか。なぜ、活動を続けているのか。」

青年会議所に入る動機やきっかけは、人それぞれである。心を通じる仲間との交流、新しい出会いやネットワークの構築、活動を通じた自己の成長など様々であろう。しかし、われわれは、仕事や家庭、様々なものを犠牲にしてJC活動を継続していることも事実である。ではなぜ、そこまでしてJC活動を行うのであろうか。それは無意識のうちに、JC活動を行うことを通じて、“修練・奉仕・友情”という三信条に基づく成長を得られることを実感しているからではないか。

私は、7年前に、家業を継ぐために、異業種でのサラリーマン生活を終え越谷に戻ってきた。サラリーマン時代には一番下っ端で部下もいなかった自分が、突然、部下やその家族の生活に責任を持つ立場となり、当初はその責任の重さとプレッシャーから何度も逃げ出したいと思った。会社を率いるだけの経営者としての気概もなく、能力もビジョンもない劣等感の塊であった自分がここまでなんとか続けてくることができたのも、青年会議所の先輩や仲間達に助けられ、互いに切磋琢磨できる友人を得ることができたからである。経営者としての悩みや不安、葛藤を共有するとともに、手を差し伸べてくれることを惜しまない仲間がいた。また、自分とは違う立場でがむしゃらに頑張る仲間を見て奮起するとともに、時には自らには足りないものに気付かされた。これらの多くの出会いがなければ、今の自分はなかったと心から感じる。

組織の成長は、トップの力量に依る部分が非常に大きいと感じる。自己の成長が、家族や社業の発展につながり、ひいては地域社会の発展につながる。だから、あらゆる犠牲を払ったこの尊い時間を少しでもいいから自分の成長に繋げて欲しく、またJC活動を理解し支えてくれる家族や職場の労に報いるためにも、われわれはそうしなければならない。自分たちが働き、生計を立てていくことができるのも、支えてくれる地域社会や地域経済のおかげである。日頃の感謝の気持ちを示し、恩返しするために少し背伸びをしてこの活動を行っていこう。

伝統の継承をさらなる発展へ

先輩諸兄の弛まぬ努力により創り上げられた伝統と知見は次世代に引き継ぐべき貴重な財産であり、われわれにはそれらを守り伝えていく必要がある。永年の活動を通じて得られたノウハウを引き継ぎ、体系化し整理するとともに、受け継ぐばかりではなく急速に進化するIT技術やネットワークサービス等を活用し、さらなる発展への礎としていく。

単年度制というJCを特徴づける運営手法の中では、同じ役割を複数回に渡って経験できる機会は多くはない。単年度制というシステムのメリットを活かしつつ、情報共有のスピードを加速化させるとともに、情報へのアクセシビリティを高め、ひいては事業の質を高め、会員一人ひとりの成長へと繋げていく基盤を整備する。温故知新の精神を活かしながら、過去にとらわれることなくさらなる発展に向け可能性を探っていく。

地域からの発信

青年会議所は、先輩諸兄の不断の努力による地域での永年の活動が実を結び、一定の評価をいただいていると自負している。しかし、青年会議所の存在意義を高めるために対外的にまだまだやるべきことがある。青年会議所とはどんな団体なのか、どのような事業を実施しているのか、事業自体の魅力度や意義を高めるのと同時に、社会的な認知が進むことで本来の運動と相乗効果を生むと考える。

また、越谷は高度経済成長期から都心へのベッドタウンとして発展し、多くの住民が市外から流入した。以降、人口は増え続けているが、その反面、地域への帰属意識や連帯が希薄になっているという課題も出ている。越谷市が中核市となり、今後この埼玉県東部地域での存在感や果たすべき役割が高まることが期待される今だからこそ、まずは地域の方々が、自らが住む街について知ることが必要と考える。地域の方々が、地域に埋もれてしまっている歴史や地域の魅力を再発見し、地域に愛着を持ち、誇りを持てるよう運動を展開する。

互いを尊重し合える仲間を

越谷青年会議所のメンバーに、青年会議所に入会した動機や入会してよかったことをたずねると、「仲間ができること」や、「様々な人との出会い」をあげる意見が最も多いであろう。事実、思いを共有し苦楽を共にした仲間の存在は、JC活動を通じて得ることができる最も大きな財産の一つである。会員拡大は、JC活動の本質と考える。自らが行う運動の意義や魅力を伝え共感を呼び、自らもその運動に参加してみたいと思ってもらえるよう、一人でも多くの共感者を作り共に活動する仲間を増やすために運動を展開する。

経済人としての自己の開発

青年会議所のメンバーは、職業人として、または地域社会におけるあらゆる場面で、リーダーに成長するための意識の高揚と能力の開発が求められている。よき職業人として、よき家庭人として、よき社会人として、メンバー一人ひとりが自己研鑚に努めることが、ひいては地域や社会の発展へとつながる。 われわれが青年と呼ばれる時間はほんのわずかしかない。常に自分自身の限界にチャレンジし、多くの仲間たちと、傷をなめ合うのではなく切磋琢磨することにより、自らの成長につなげる必要がある。成長する上で、時には痛みを伴うこともあるであろうが、青年である今だからこそ、傷を負うことを厭わず、自己の成長へとつなげていく。まずはメンバーの資質向上をめざし、地域全体と調和し地域へ貢献できる経営者となるために積極的に研修ができる運動を展開する。

未来を担う人材の育成

越谷青年会議所では、40周年活動ビジョンの中で、「活気あるまちづくり」、「越谷青年会議所づくり」と合わせ、「次代を担うひとづくり」を重点項目の一つとしてあげている。次代を担う子供たちの成長を目的として、わんぱく相撲越谷場所およびわんぱく相撲埼玉ブロック大会を開催する。日本に古来より伝わる、修練を通じて人間として生きる道を探求するという精神を学ぶ機会とし、勝負の結果だけではなく、勝負をした相手との互いの健闘を称え合う精神を学ぶ場を提供する。  また、急速にグローバル化が進む現在、次代を担う子供たちは、世界を意識する経験が必要である。外の世界に触れることで、自らの立ち位置や価値観を相対的に感じる機会を提供し、日本人としてのアイデンティティや自らを見つめ直すきっかけとなるよう運動を展開する。

夢をかたちにする力を

現代のわが国では、多くの若者が教育を受ける期間を終え、いざ自らがこれから進むべき道を決める際に、「自分が何をすればいいのか。」、「何をしたいのか分からない。」と悩むという。早い段階から、自らの将来に夢を抱き、自らの将来を主体的に考え、その夢を叶えるために能動的に行動するためのサポートを行う。地域で活躍する様々な協力者と協働し、地域の資源を活用しながら、地域で子供を育てることを目的として運動を展開する。  

また、将来、地域を背負っていく子供達の育成を目的として、体験型のプログラムを実施する。仲間と協力して、一つのことを成し遂げることを学び、連帯感や達成感を実感する活動を実施する。

まちづくりに向けた社会資源の開発

少子高齢化や財政問題など、様々な問題を抱えるわが国では、多様化するニーズに対して、いわゆる“公助”や“共助”といった行政が提供する福祉サービスや制度化されたサービスだけでは対応には限界があり、“互助”や“自助”といった力を伸ばしていく必要性がある。誰もが住みやすいまちをつくるためには、働きたいと思う人に働く場を提供し、その労働の対価として報酬を得るという個人としてやりがいや生きがいを感じるということがあたりまえにできる社会になる必要がある。自立した生活を送るために、地域にある資源を活用し、それらと連携した社会システムの構築に資する運動を行う。社会実験を繰り返し、解決策を模索していくことが、青年会議所が社会に対して果たすべき役割と考え、運動を展開する。

結びに

「コミットメント(commitment)」という言葉には、日本語に訳すと、「責任」、「約束」、「関与」といった様々な意味がある。私は、この言葉を「使命を果たすために、責任を持って積極的に関与し、約束を果たすために全力を尽くすこと」と捉えている。

自分のため、家族のため、職場のため、自らが関わるすべての人々のために、改めて自分がJCに所属している意味を再確認し、その実現のために全力を尽さないか。一般社団法人越谷青年会議所第43代理事長を拝命するにあたり、私自身が、この言葉をかみしめ、JCから頂いた大きな恩に報いるために、この感謝の思いを多くのメンバーが共有できるよう活動し、地域のために一身を投じ、全身全霊をかけ活動する。